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239. 民法の改正(その5)
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238 . 民法の改正(その4)
はじめに 今回は、昨年の民法改正の中のひとつである自筆証書遺言の改正、並びに遺言書の保管に関する法律の制定について説明する。 自筆証書遺言の方式の改正 自筆証書遺言については、遺言者自身が遺言書の全文を自ら作成し、遺言書に日付を記入し、署... -
237 . 共同相続と時効取得
事 案 AB夫婦にはYら5人の子供がいる。 Aは、昭和37年に死亡し、Bも平成18年に死亡している。 Aは農地(本件土地)を所有していたが、本件土地は昭和46年に区画整理の換地処分の対象となっている。 Yは換地処分がなされる前まで、本件土地... -
236 .相続分の譲渡と遺留分減殺
事案 AB夫婦には子C、X、Yがいる。 DはYの配偶者であり、ABと養子縁組をしていた。 Bは平成20年12月に死亡した。 その時点の相続人は配偶者A、子であるC、X、Y、それに養子Dの5名である。 Bの遺産分割調停において、Bの配偶者Aと、... -
235 . 民法の改正について(3)
今回は債権者代位権と債権者取消権の説明をする。 【債権者代位権について】 1.現行法について 現行法では民法423条に規定されている。その内容は、債権者が自己の債権を保全するため、債務者の権利を代位して行使できるというものである。 AがB... -
234 . 相続分の譲渡と特別受益
事 案 Aは平成元年に死亡。その時点の法定相続人は配偶者B、ABの子X1X2Yの合計4名。 平成5年、BはYに自分の相続分(Aの相続における法定相続分である2分の1)をYに譲渡(無償)。 同様にX2も自分の法定相続分(Aの相続における法定相... -
233 . 民法の改正について(その2)
今回は保証と瑕疵担保責任について説明する。 保証について A 個人が保証又は根保証をしているケース 1 保証契約については、書面が作成されなければ効力が生じないことは従前のままである。2 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保... -
232. 民法の改正について(1)
今回は民法の改正について説明する。 民法の改正は債権法の部分と相続に関する部分とがある。今回は、平成29年5月26日に成立した債権法の部分についての説明をする。 債権法の部分の改正はいろいろな部門を対象としているが、消滅時効、債権譲渡、根保... -
231.不動産と商事留置権について
はじめに 今回は民事留置権及び商事留置権について説明したいと思う。 まず、平成29年の最高裁判所の判決があるので紹介をする。 事 案 XとYはそれぞれ事業を営む会社であり、土地所有者XはYに対して、土地を賃貸していた。 XY間の土地賃貸... -
230 . いわゆる空家特措法について
はじめに 今回は適当な裁判例がなかったので、平成26年に成立した、いわゆる空家特措法(正式には空家等対策の推進に関する特別措置法)についての説明をする。 法律の目的 適切な管理がなされていない空家等が、防災、衛生、景観等、地域住民の生活環... -
229.遺留分減殺請求について
はじめに 今回は適切な判決がなかったので、相続開始に あたって、今ではあたり前となっている遺留分減殺請求についての説明をしたい。 権利者 遺留分を有する者は、兄弟姉妹以外の相続人である。直系尊属のみが相続人のときは、相続財産の3分の1、... -
228 . 秘密証書遺言等について
はじめに 東京地方裁判所平成29年4月25日判決では、秘密証書遺言の効力が争われている。 事案は作成された秘密証書遺言の署名が遺言者のものか否か、遺言書作成のときに遺言者の判断能力はあったのかである。 これについては、署名は遺言者のものであ...