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299.内容証明について
はじめに 今回は内容証明について説明したい。家賃支払の催促や契約の解除、重要な意思表示の通告などのときに内容証明郵便が利用されている。内容証明とは、通知人が出した文書の内容を郵便局が証明するものである。こういう内容の文書が出されたことが、... -
298.戸籍法の改正について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がなかったので、戸籍法の改正について説明する。令和元年5月に戸籍法の一部を改正する法律が制定され、本年3月1日から施行される。(令和元年改正と言う) また、令和5年6月に戸籍法の一部がさらに改正され、2025年... -
297.借地人の破産と土地所有者の対応
【はじめに】 今回は適当な裁判例がなかったので、最新、完結した借地人が破産した場合の土地所有者(貸主)の対応について説明したい。説明のための題材として、以下のようなケースとする。 土地所有者Aは、借地人(事業用定期借地)Bに建物所有目的で... -
296.錯誤について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、民法95条の錯誤について説明したいと思う。改正前の錯誤の規定は以下のとおりである。 「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は... -
295.危険負担、契約不適合等について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、建物売買に関する危険負担、瑕疵担保、契約不適合、債務不履行について説明したいと思う。 説明のための事例として、建物所有者Aが自分の建物(A建物)を買主Bに売却したとする例を前提としたい。売買契約... -
294.共有物の分割について
【はじめに】 共有不動産の持分について、最近、業者が持分を買い取りますなどの広告をしていることが多い。業者が共有持分を取得して共有者となった場合、どういうことになるかについて、今回は共有物の分割という視点から説明をしてみたい。 【民法の条... -
293.親子法制に関する法改正
【はじめに】 令和4年に親子法制に関する部分の法改正が行われている。資産管理自体と直接関係のない部分もあるが、知っておくべきものもあるので、ここで紹介したい。 今回の親子法制の改正の趣旨は、児童虐待が問題となっていることから、民法の懲戒権... -
292.相続における限定承認について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、最近、相談があった相続のときの限定承認について説明したいと思う。ただ、筆者は弁護士になって37年目になるが、この限定承認手続を担当したことはない。 後述するが、限定承認は相続においてプラス財産の限... -
291.工作物責任について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、現在相談を受けている案件を前提として、土地の工作物責任に関する説明をしたいと思う。 【事 案】 Aは土地を所有し、駐車場として土地を付近の住民に1台分ずつ貸している。全体で30台くらいになるが、1列... -
290.令和3年民法等の改正のその後について
【はじめに】 今回は令和3年の民法その他の法律の改正に関連して、その後の登記手続きやその他の法律に関しての説明をする。 令和3年の民法その他の法律の改正は、所有者不明土地の発生をなくすためのものであることは、すでに本書をはじめ多くの文献等... -
289.養子縁組の無効
【事案】 Aは4男2女の6人兄弟姉妹であり、Aは二男、Yは四男である。 Aの父母はすでに死亡している。 Aは二男であるが、A家の跡取りになることを、Yを含めた他の兄弟姉妹は同意していた。 Aは平成2年1月に砂利販売等を目的とする会社を設立し... -
288.親子関係不存在の訴え
【事案】 AB間の子は戸籍上CDEの3名である。(A・Bはすでに死亡。) Dは平成29年に死亡したが、配偶者も子もいない。(本件はDの相続に関する事案である。) CとEは、Dより先に死亡しており、Cには3人の子、EにはXともうひとりの子がいる...