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569.アパートのオーナーの相続と借主への対応
アパートの所有者で貸主に相続が発生したものの、相続が完了していないときの注意点や借主への対応方法を教えて下さい。 1.アパートの所有者に相続が発生し、建物所有権についての相続が未了な状態ですので、その状態でアパートの入居者と契約をするにあ... -
259.相続開始後の遺産の処分について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、昨年7月に改正された民法の相続のうち、相続開始後の遺産の処分に関する説明をする。 【事 例】 相続人は子供ABの2名。 被相続人の遺産は預貯金2000万円。 Aは生前、2000万円の生前贈与を受ける。 Aは... -
258.遺産分割協議成立後に発見された遺産について
【事案】 AB夫婦にはCとDの2人の子供がいる。Aは平成11年に死亡し、BCDの3人が相続人となった。 Aには土地建物や農地のほか預貯金があった。そのため、これらAの遺産について、3人で協議をし、Bは土地建物の大半を、Cは農地等を取得するこ... -
256.受遺者による遺贈の放棄
【事 例】 今回は適当な裁判例がなかったので、実際の相談例から紹介したい。紹介する事例自体は文献に出ているものを紹介し、コメントの中で私が受けた相談例を交えて解説したい。 AB夫婦間には子供XYZがいる。 Bはすでに死亡しており、Aが公正証... -
611.配偶者居住権について(その1)
令和2年4月1日から、相続の際に配偶者居住権が設定できると聞いたのですが、どのような制度ですか。 配偶者居住権は、配偶者が所有権を持たなくても自宅に住み続けながら、一定の生活費を確保できるように配慮した制度です。 一般的な配偶者居住権等の... -
247.贈与と特別受益・遺留分侵害額請求
【はじめに】 今回は適当な判例がなかったので、相続人に対する贈与について、特別受益及び遺留分侵害額請求との関係について説明したいと思う。 被相続人が相続人に対して生前贈与をすることは、世の中でしばしばなされていることであり、贈与自体は契... -
482.親子の相続放棄
Aには妻Bと未成年の子Cがいましたが、Aは最近亡くなりました。 妻Bと子Cは、Aの相続を放棄する予定です。BはCの法定代理人としてCの相続放棄手続きを行えるのでしょうか。また、放棄手続きにあたり、戸籍謄本はB、Cのそれぞれの申立て用に... -
481.遺言と登記
Aには妻子がなく、弟Bと妹C(故人)がいます(父母はすでに死亡。)。 Aは故人Cの夫Dに遺言書を残しており、AとDが共有の土地建物のAの持分をすべてDに相続させる内容になっています。 AD共有の土地建物には、Aを含めてCD夫婦の子EF... -
242.民法の改正(その8)
はじめに 今回は民法の改正のうち、配偶者の居住権の保護に関する改正内容の説明をする。今回の改正で、配偶者居住権(改正民法1028条)と配偶者短期居住権(同1037条)が新設された。この新設された条文は、改正法施行日(2020年4月1日)以後に開始した... -
241.民法の改正(その7)
はじめに 今回は「特別の寄与」について説明する。 今回の民法の改正では、「第9章.特別の寄与」の項目が新設された。条文としては1050 条である。 内容は、被相続人に対して無償で療養看護その他労務の提供をしたことにより、被相続人の財産の維持...