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227 . 共同相続された預貯金の扱い(差戻審)
事 案 本件は本誌平成29年2月号で紹介した最高裁判所の事案(平成28年12月19日大法廷決定)の差戻審の決定である。 事案はやや複雑であるので、本誌平成29年2月号と同一の事案で説明したいと思う。 XはAの弟の子でAと養子縁組をしている。 Y... -
226.民事裁判における訴訟物について
事 案 YはAに平成4年に金7億円を貸付ける。 YはXとの間で、平成6年に債務弁済契約公正証書を作成。貸付金額は1億1,000万円で、これを分割して返済する旨の内容になっている。 このXY間の公正証書であるが、この公正証書を作成する際に、AがY... -
225.相続人でない者への特別受益について
はじめに 今回は相続が発生した場合の特別受益の問題点のうち、相続人でない者への特別受益のことを検討してみたい。 民法903条は、共同相続人のうちで、被相続人から相続人が遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受け... -
224 . 賃料増額請求と共有建物
事 案 本件建物はCDが新築し、持ち分は各自2分の1。 その後、Y社が設立され、取締役はCとD。 CDは本件建物をY社に賃貸し、賃料は平成15年ころは月500万円(税込み)。 Y社は本件建物の一部を別の会社に転貸している。 共有者のひとりであるC... -
223.相続における特別受益について
はじめに 今回は相続における特別受益の説明をしたいと考えます。 民法903条は、共同相続人のうち、被相続人から遺贈を受け、または婚姻もしくは養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、遺産分割にあたり相続分の計算に... -
222.預貯金債権と相続について
はじめに 今回は適当な裁判例がなかったので、昨年12月に出た預貯金と相続に関しての説明をしたい。 平成28年12月19日の最高裁決定で、普通預金、通常貯金、定期貯金については、共同相続をした場合には、当然に相続分に応じて分割されることはなく... -
221.賃貸借契約の終了について
はじめに 今回は紹介に適切な判例がなかったので、賃貸借契約の終了についての説明をしたい。 JA職員などから賃貸借契約の終了についての質問を受けることがある。その質問内容を検討すると、民法や借地借家法の基礎的理解が十分でないと思われるケ... -
220.遺言書トラブルについての考察
はじめに 今回は紹介に適切な判例が見当たらなかったので、最近比較的増加している遺言書のトラブルについて述べてみたい。 遺言書については、作成されているケースが多くなっているのは事実である。マスコミや信託銀行などが相続トラブルを防止するた... -
219. 仮差押と法定地上権の成否について
事 案 争点はいろいろあるが、ここでは法定地上権の成否に関する事項を中心に説明する。 Aは甲地、乙地並びに両土地の上に位置する建物の所有者であった。 平成14年5月、ZがA所有の甲地及び建物に対して仮差押えをした。 ところが、本件建物は乙地... -
218 . 無断建物転貸借の当事者間の関係
事 案 本件建物はA所有。 AはYに対して本件建物の一部を賃貸した。内容は以下のとおり。 (1)期間は平成19年から8年間(2)使用目的はYが服飾雑貨小売業を営む。(3)賃貸対象範囲は本件建物の1階、2階の一部。 上記契約をAY間で締結したが、... -
217.犯罪行為と告知義務
事 案 (説明にあたり、事案を簡略にしている) 本件土地建物はYの所有物である。 YはXに対して平成25年の暮れから同26年はじめにかけて、本件土地建物を売却した。代金は合計で5,575万円。 Xは不動産の売買、賃貸、仲介等を業とする株式会社である。... -
216.養子縁組の効力と相続税対策
事 案 Aには長男B、長女X1、二女X2の3人の子供がいる。 長男Bには妻Cとの間に長男Yがいる。(Yは平成23年生まれ。) Aの妻は平成24年に死亡した。 Aの妻が死亡したのち、長男B、Bの妻C、BC間の子Y並びに税理士がA宅を訪問。 YをAの...