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261.相続の放棄の撤回・取消について
【はじめに】 今回は適当な判例がなかったので、相談を受けた相続の放棄の撤回・取消について説明をしたいと思う。 説明のための家系図で、Aが今回死亡した被相続人とする。Aには妻Bと子CDがいる。また、Aの実父母はすでに死亡しており、Aの兄弟に... -
260.遺贈の放棄について
はじめに 今回は適当な判例がなかったので、実際の担当案件を通じて調査した内容をもとに、受遺者による遺贈の放棄について説明したいと思う。遺言は遺言者が一方的に自分の財産を相続人や第三者に取得させようとする制度である。そのため、受遺者とされた... -
259.相続開始後の遺産の処分について
【はじめに】 今回は適当な裁判例がないので、昨年7月に改正された民法の相続のうち、相続開始後の遺産の処分に関する説明をする。 【事 例】 相続人は子供ABの2名。 被相続人の遺産は預貯金2000万円。 Aは生前、2000万円の生前贈与を受ける。 Aは... -
258.遺産分割協議成立後に発見された遺産について
【事案】 AB夫婦にはCとDの2人の子供がいる。Aは平成11年に死亡し、BCDの3人が相続人となった。 Aには土地建物や農地のほか預貯金があった。そのため、これらAの遺産について、3人で協議をし、Bは土地建物の大半を、Cは農地等を取得するこ... -
257.再転相続における熟慮期間の起算点
【事案】 A社は借主B社に対して貸付金の支払いを求めるとともに、連帯保証人であるC外4名に対しても支払いを求め、これを認める判決が平成24年6月7日に言渡され、同判決は確定した。連帯保証人Cは、判決言渡直後の平成24年6月30日死亡した。 Cに... -
256.受遺者による遺贈の放棄
【事 例】 今回は適当な裁判例がなかったので、実際の相談例から紹介したい。紹介する事例自体は文献に出ているものを紹介し、コメントの中で私が受けた相談例を交えて解説したい。 AB夫婦間には子供XYZがいる。 Bはすでに死亡しており、Aが公正証... -
255.売買にあたっての本人か否かの確認
【事 案】 Ⅹは平成28年10月21日、本件土地の所有者と称するBとの間で土地売買契約を締結した。 売買代金は総額2億円、うち契約のときに手付金として金4,000万円、11月1日に予定されている決済日に残金1億5,000万円、残り1,000万円については、売主が本... -
254.相続開始後に認知された価額請求の際の相続債務の扱い
【事案】 Aは平成20年2月に死亡。 ⅩはAとBの間の子であるが、A死亡後、認知を求める訴えを提起。この裁判は平成24年12月に確定し、ⅩはAの子と認められた。 YはAC間の嫡出である子であり、DはYの妻で亡Aの妻Cとの間で養子縁組をしている。 A... -
253.民法改正と契約条項
【はじめに】〇令和2年4月14日に予定されていた研修会が、いわゆる新型コロナウィルスの影響で中止となったことから、当日、お話しようと思っていたことを本書に記載します。(口頭で話そうと思ったこともあり、本来予定していたレジメに少し加筆してい... -
252.賃貸借契約の中途解約について
今回は適当な判例がないので、賃貸借契約における中途解約について考察する。 A 民法上の賃貸借契約 ①中途解約の特約なし 契約の中に貸主あるいは借主からの中途解約を認める条項がなければ、一方当事者は他方当事者に対して中途解約をする権利がない。 ...